【危険】 単品ダイエットのリスク 東洋医学編
前回、栄養学の面から単品ダイエットの危険性について掲載しましたが、今回は東洋医学的な側面から単品ダイエットに潜む危険性をお伝えしたいなと思います。
東洋医学では食べ物に含まれる栄養素以上に食べ物の味が体に及ぼす「作用」やそのものの「性質」を重視します。
食べ物の味は「五味」と言って五つの味、酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩からい、に別れます。
そして、味のそれぞれに身体に影響を及ぼす「作用」があります。
以下、五味の作用をものすごーーーーく簡単に紹介します。
酸味は体を引き締めます。
取りすぎると引きつってきます。
苦味は血管を絞り乾かします。
取りすぎると血管が狭くなり血流が悪くなります。
甘味は体を緩めます。
取りすぎると骨が弱くなったりむくみやすくなります。
辛味は気血の巡りを良くします。
取りすぎると気血が外に漏れ出します。
塩辛味は体を潤します。
取りすぎると血液が粘って血流が悪くなります。
具体的に言うともっと細かい作用があるのですが、簡単に紹介するのであればこんなところでしょう。
それぞれの味に異なる身体への作用があり、偏りがあれば何らかの悪影響が生じます。
ここまでが味が身体に及ぼす「作用」のお話。
ここからは食べ物が持っている「性質」のお話です。
「性質」は大きく三つに別れます。
冷やす、温める、どちらの変化もない、の三つです。
前述の五味のように五つに分けて、寒、涼、平、温、熱というふうに分類し「五性」と言います。
これらの性質は例外はありますが主に「旬」や「産地」で変化します。
夏が旬の食べ物や暑い地域で取れる食べ物は身体を冷やす性質を持ったものが多く、冬が旬の食べ物や寒い地域で取れる食べ物には身体を温める性質を持つ者が多く見受けられます。
その季節や地域に必要な食べ物が取れるようになっています。
「作用」と「性質」の分類はなんとなくご理解いただけたでしょうか?
味における身体への「作用」がある。食べ物そのものの「性質」がある。
詳しい内容までは覚えなくてもいいので、この点だけは知っておいてくださいね。
では、本題の「単品ダイエット」です。
聡明な読書の皆さまはもうご理解くださいっていますよね。
同じものばかり食べていると「作用」も「性質」も大きく偏ります。
味の摂取過多により起こるリスクは先に説明しましたので以下「性質」による過多のリスクを挙げます。
冷やすようなものばかり食べていると下痢を起こしたりします。
冷やす食べ物で起こした下痢が続くと消化力、吸収力どちらも低下し、栄養が取りにくくなります。
栄養が取れにくくなるのでやつれてきます。
体重計の上では数字は下がって見えますのでダイエットは成功して見えますが健康上は非常に危険な状態と言えます。
逆に温めるような食べ物ばかり食べていると身体は熱を持ってきてのぼせるようになってきます。
熱が強くなってくると発汗したり、気血を消耗してしまったりして身体は乾いてきます。
体内が乾くと自らの熱で自らの肉体を焼いてしまいこれまた体重は落ちますが、痩せたというより痩せこけたというような見た目になります。
決して美しい痩せ方には見えませんし、便秘になったり更年期障害が酷くなったりといい事はありません。
美しく健康的に痩せるためには栄養のバランスだけでなく、こういった「作用」や「性質」にも少し気をつけたほうがいいでしょう。
以上が単品ダイエットの危険性についてのお話でした。