温めすぎにご用心
こんにちは!こざくら鍼灸院院長の坂本拓哉です!今回は『温める』ということについてお話したいと思います。健康関連の記事は初投稿ですね。頑張って書いていきましょうね!
温め過ぎて体調を崩している方も非常に多く感じますので、少々長文になるかと思いますが、興味のある方は是非最後まで目を通してみてください。様々な体調不良に当てはまることだと思いますので、様々なお悩みをお抱えの方に応用できるのではないかと思います!
まだ日によっては暑かったりしていますが、もう1ヶ月もすると冷えてくるでしょうから、予備知識を詰め込んでいただいて冬本番に備え、元気に春を迎えて欲しく思います。
そもそも、温めるべき人というのはどういう人でしょうか?
寒がりの人?冷え性の人?自律神経失調症の人?病気を予防したい人?
確かに、こういった悩みをお持ちの方々は冷やしてしまってはいけません。
しかし!
『冷やさないようにする』と『温める』という言葉、似てはいますが同義ではありません!!
冷やさないようにしたお風呂、と温めたお風呂の二つではすごく印象が変わりませんか?
『冷やさない=温める』ではなく、『冷やさない≒温める』。あるいは『冷やさない≠温める。』
こう認識していただいた方が良いかと思います。
どう違うのか?というと、例えば、たくさん着込んだり、たくさんカイロを貼ったりし、無理矢理体温を上げる行為が『温める』ということです。無理矢理体温を上げようとしすぎてはいけません。『冷やさない』というのは体温が下がり過ぎないようにすることであって多少の寒さは感じても大丈夫・・・というか、多少の寒さも必要なんです!
なぜ、寒さが必要かということは後に述べます。先になぜ温めすぎてはならないのか。こちらの説明をしていきましょう。
冬になるとこんな患者様がおられます。
「今日は寒いね~、先生」と言いながら手袋越しに手を擦り合わせ来院されました。
ダウンジャケットを羽織、首元にはネックウォーマー。ナイロン地(ウインドブレーカー的な)のズボンを履き、靴下も毛糸の分厚いやつ。
待合でダウンを脱ぐと暖かそうな裏起毛のパーカー、からその下に少し見えてるニット。
「便利になったねー」と見せられたのは靴下の底に貼り付けてある足用の貼るカイロ。
ベッドにご案内し、施術のためある程度薄着になってもらうと某ブランドの温かいシャツ。の背中や腰のところには貼るカイロ。
ナイロン地のズボンの下にはジーパンを履いていて、施術のため膝まであげようとするとまた某ブランドの温かいスパッツ・・・
「ごめんねー、たくさん着てて。でも、たくさん着とかないと冷えちゃうでしょ?」
で、実際施術のために肌に触れると汗ばんでいる・・・。
さて、問題です。
『汗』ってなぜ出るのでしょうか??
汗って実は体温を『下げるため』に出ているんです。
暑い時に汗が出るのは汗のうちの水分の蒸発により、熱の放散を増大させ体温を下げるためです。発汗は一般に温熱刺激で起こり、これを温熱性発汗といいます。皮膚温が43~46℃位になった時に起こるといいます。
完全防寒で徹底的に温めた結果、この発汗が起こり、身体は一生懸命冷やそうとする・・・。本末転倒な気がしますがこれは身体の正常な働きです。人間は恒温動物といって一定の温度を保つ仕組みがそもそも身体に備わっています。そのためにこのような反応が起こってしまうんですね。
例に挙げた様な患者様は少なくないです。が、一生懸命温めた結果、身体はどんどん冷やす方向にシフトしていきます。
更に!
熱い空気や水分は上昇します。小学校の理科の実験でやりませんでしたか?ふるーいお風呂を思い出していただいてもいいかもしれません。表面だけ熱く、底の方は冷たいままだった・・・とか覚えのある方もいらっしゃると思います。
人体は60%が液体成分です。足より顔の方が温まりやすくなります。いくら温めても足先の冷えが取れないと悩んでらっしゃる方の顔が、のぼせて真っ赤っか・・・なんてことも多々・・・。
これが温めすぎた結果冷えをより感じる例です。では次になぜ少しの冷えが必要なのか。という点について述べていきます。
結論から言います。
冬だからです。
・・・え?ど~ゆ~こと?
冬は寒くて当たり前なんです。それが自然だからです。自然には逆らってはいけません。自律神経もそういうふうにインプットされています。
冷えると身体は温めようとします。先程も述べたように人間は恒温生物ですから、寒い時の備えがちゃんとあります。筋肉や内臓、ホルモンが働き、体温が下がらないようにします。
その備えが追いつかず、ブルブル震え顔色も青白くなるようでしたら冷えすぎですから、我慢せず、すぐに暖かい格好をしてくださいね。ブルブル震えるのも震え産熱という体温を高める身体の備えなのですが・・・。
さらに、こういった機能に加え、冷えることで体表の毛穴や汗腺が収縮します。これも熱が外に逃げないようにする身体の防御機能です。汗腺とは汗の出口です。そこが閉じると汗は出にくくなります。汗が体温を下げるために出るものだということは先に述べました。この機能で発汗による体温低下を防ぐことができます。
こういった人体に元々備わった機能を利用する、不自然なく自然に生きる、ということが大事だと思います。
不自然な生き方をするということは自律神経に過度の負担を与えます。なぜかというと人間は恒常性(ホメオスタシス)というものを持っており、これをざっくり言うと一定の状態、自然な状態を保とうとします。その調整はもちろん自律神経が行っています。自律神経が一生懸命身体を冷やそうとしているのに、寒さを感じより着込むなどしさらに温めることで自律神経は更に一生懸命に・・・といたちごっこを繰り返すことになります。この繰り返しで自律神経はくたびれてしまい、春に色々な問題が起きてしまいます。(その話はまた別の回で・・・。)
冬場、寒くなるのは普通のことです。寒いのが自然であるにもかかわらず、着込むなどして温めすぎるとそれはもう自然な状態ではありません。
自然に生きること。これが自律神経失調症はじめ、体調不良一般に対する健康法の第一歩ではないかと私は考えます。
この冬は少し頑張って去年より少し薄着で過ごしてみてはいかがでしょうか?
当院では下の画像のような治療はやっていませんのであしからず
温めすぎにご用心3 がん治療編 | こざくら鍼灸院
2018年10月2日 @ 7:06 PM
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