【薬膳紹介】なす
玉ねぎに引き続き、今の時期おいしい野菜のナスについての東洋医学的働きをご紹介します!
ナスも高コレステロールに良かったり、ポリフェノールが豊富で抗酸化作用や老化の防止に良いとされています。そんなナスを東洋医学的に見ていきましょう!
ナス(茄)
五味 甘
五性 寒
帰経 脾・胃・大腸
・東洋医学的効能(本草綱目より)
①血を散じ、痛みを止め、腫を消し、腸を寛にする
②寒熱、五臓の労
③温疾、伝尸、労気を治す。酢で摩って腫毒に付ける。
④老いて裂けたものの焼灰は乳裂を治す。
⑤凡そ久冷の人は多く食ってはならぬ。人を損じ、気を動し、瘡及び痼疾を発する。
⑥秋後に食えば多く目を損ず。
⑦多く食えば必ず腹痛し、下痢し、婦人は能く子宮を痛める。
⑧時ならざれば食うべからず
原文をそのまま載せてもわかりにくいですね笑。
簡単に現代語訳してみます。
①巡りの悪くなった血を散らして、痛みを止めて、腫れ物やできもの消して、腸を広く(あるいは緩やか)にしてくれます。
②身体が熱くなったり寒くなったりするのや、五臓の疲れに効きます。
③熱のこもったような病気や肺結核、気による疲労を治します。酢でこすったものを毒で腫れたところに塗ります。
④ナスが収穫期を越えて放置され裂けてしまったものを焼いて灰にしたものは乳頭亀裂を治します。
⑤長い期間冷えの病気を患っている人はたくさん食べてはいけません。人体を損傷させ、気を動揺させて、腫れ物や治りにくい病気を発症します。
⑥秋の後期にたくさん食べると多くの人は目に問題を起こします。
⑦たくさん食べると必ず腹痛を起こし、下痢になります。女性は子宮を痛めてしまいます。
⑧旬でない時期に食べてはいけません。
こんなところでしょうか。
病気にいい反面、たくさん食べたり、旬じゃないタイミングで食べるとちょっと怖くなるようなことも書いてありますね!
日本には「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉もあります。姑の嫁いじめであるという説と、姑が嫁の身体を気遣っての言葉という説がありますが、この文章を読むと後者であるような気がしますね。個人的に後者であってほしいという願いもありますが笑。
この他にも、ナスの花を乾かして焼いて粉にしたものは歯痛を止めるとか、面白い記述はたくさんあります。
ついでに現代医学的な効能も紹介します!
・現代医学的効能
コレステロール降下作用…皮に含まれるナスニンや繊維に含まれるサポニンという成分の働きによる。
利尿作用…カリウムを多く含むため。
ポリフェノールを多く含むため、抗酸化作用によりガンや老化のリスクを下げると言われている。
ルチン(ビタミンP)を多く含む。ルチンはビタミンCの働きを助け、コラーゲンの生成や毛細血管を丈夫にする働きがある。
といったように、東洋医学的にも現代医学的(栄養学含む)にも身体に良い面もたくさんあります!
良い面ばかりではなく、リスクも知った上で健康的に食べてくださいね!
旬のナスは身体にイイ!
でも食べ過ぎはNG!旬を過ぎたらあんまり食べない!
この2点、覚えておいてくださいね~!