シンスプリントの予防と治療

マラソンや駅伝が本格的にシーズンインしました!

 

私は今はもう、一切走ったりしていないのですが、中学高校と6年間陸上競技に明け暮れたので観戦は今でも大好きで、このシーズンになるとソワソワしてきます笑。

 

先日、親子でマラソンをやってらっしゃる患者様に質問をいただき、回答したところ好評だったので、今日はシンスプリントについて掲載したいと思います。

 

運動部に所属している中高生の中にはこれで困っている人も少なくはないでしょう。

 

シンスプリントという整形外科的疾患を東洋医学では、そしてこざくら鍼灸院ではどの様に考えているのか、予防法や治療法を述べさせていただきます。

 

 

シンスプリントは骨の腫れです。

 

腫れは「熱」の症状です。

 

骨は「腎臓」の影響を受けています。

 

なので、東洋医学的に腎臓が熱を持っている状態であることが予想されます。

 

シンスプリントを患いやすい人の特徴として一番に挙げられるのはスポーツをしているということです。

 

その中でも、マラソンやバスケットボール、サッカーなど、長時間走るスポーツに顕著に発症しやすい傾向にあります。

 

たくさん走るから当然足の骨に負担がかかりやすいのですが、シンスプリントの原因はそれだけではなく、大量に発汗するため腎臓に負担をかけてしまい骨の症状を引き起こしていると考えられます。

 

大量の発汗と腎臓の関係は、汗が血を原料にしていることと、腎臓が体液の元となる液体を代謝している臓器であることに由来します。

 

汗の原料は血です。汗=血で覚えていただいてもいいのではないかと思います。

汗腺(汗の出口)を辿っていくと血管にまで至ります。汗というものは上がりすぎた体温を下げ、一定の体温を保つために身体が分泌する液体です。上がりすぎたものを強制的に下げる緊急措置システムで、血を消費してしまいます。

人間は恒温生物という生き物で、身体の生理機能を安定して発揮するため、ある一定の温度を保とうとする生き物です。ですので、血という必要不可欠な体液を消費してでも体温を一定に保とうとします。

汗をかくことが健康的なイメージがあるかもしれませんが、発汗は血を消費して行われる生理現象ですので大量の発汗はあまり好ましいことではありません。

少し大げさな表現になりますが、大量出血は身体にいいことでしょうか?

 

東洋医学的に腎臓は体液の代謝の要です。

体内はいろんな種類の液体が存在しますが、その大元を代謝していると言われています。

その中には当然、血の元となる液体の代謝も含まれており、新たな血液を補う際に腎臓が働きその代謝を行います。

ですから、多量の発汗で血液を多く消耗してしまった際には腎臓がその分働かなくてはならなくなり、たくさん働いた分熱を持ってしまいます。

 

これが東洋医学的に見た発汗量の多いスポーツマンにシンスプリントが起こりやすい理由です。

 

では、その予防法から挙げていきましょう。

 

整形外科的にはアーチ(土踏まず)の形成や、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)、前脛骨筋(すねの筋肉)、後脛骨筋(ふくらはぎの深層の筋肉)などのケア(ストレッチやアイシング)を怠らないようにし柔軟性を保つことが重要視されています。

当然、このあたりのケアも重要ではありますが、更にレベルの高い予防を求める場合、東洋医学的に発汗に伴う腎臓の熱が原因と考えられるので、発汗量を抑えること、血の量を減らさないことが予防として重要視されます。

なので、運動時に汗をかくのは仕方ないことなのですが、こまめに体温調整をし、不必要に汗をかかない工夫が大切です。サウナスーツなどでわざわざ大量発汗するなんて厳禁です。

運動前に酸味のものを摂取し身体を引き締めた状態で運動を開始するのもいいかもしれません。給水に使う水分にレモン果汁を含ませてもいいかもしれませんね。

血を増やす食事を常に心がけることも大切かと思います。

ニンジンやセロリなどのセリ科の植物やはちみつは血を増やす食べ物だと言われています。黒ごまは様々な体液の元になるとされていますし、味噌汁は腎臓の熱を下げる食べ物だと言われています。特に田舎味噌がいいんだとか。

栄養学的にミネラルは積極的に摂取したいところです。これは血液に限ったことではありませんが。海藻類や緑黄色野菜、そういったものを摂取しきれないときはマルチミネラルのサプリなんかで補ってもいいかもしれません。

鉄分だけでは不十分です。ミネラルは単体で大量に摂取するより、いろんな種類をバランスよく摂取できることのほうが重要なのです。

 

これが当院で考えられる東洋医学的な予防法です。

 

では、当院での治療はというと腎臓の熱を下げるための治療を行います。もちろん、患部や患部周辺の筋肉の緊張を緩めることもしますが、メインは腎臓の熱を下げることです。

熱を下げるからといってアイシングは行いません。外部からの刺激で体温や患部の温度が変化することに当院は重きを置いていません。むしろ、自律神経的にはストレスになるのではないかと考えています。

外部からの刺激以上に自然に熱が下がるような体調作りの方が重要であると考えています。

鍼を用い、その体調作りのために必要なツボに施術を加え、身体の内部から状態を調えることでより早く、より自然なかたちでの完治を目指します。

 

 

当院におけるシンスプリントの考え方、いかがでしたか?

マラソンや駅伝などが本格的にシーズンインしましたので、今のタイミングでの故障は避けたいですよね。特にシンスプリントのような長引きやすい故障はシーズン丸々ダメになってしまうかもしれませんし、日頃の予防が何より大事になってきますね。

家庭でも簡単にできる予防法も挙げたつもりですので、できる範囲でぜひ実践してみてください!

 

そんなことはない方がイイのですが、万が一シンスプリントのような長引きそうな故障が出てしまった場合はすぐこざくら鍼灸院にご相談ください!

必ず力になります!