高血圧には減塩よりも・・・

「高血圧には減塩」という考えが定着して長くなりますが、減塩以上に考えなければならないことがあります。

 

今回は塩分以外の血圧を上げる要因について紹介をしたいと思います。

 

 

まず最初に、そもそもの減塩の効果をお話したいと思います。

 

塩分で血圧が上がるタイプの人を「食塩感受性タイプ」と言います。

 

この「食塩感受性タイプ」の日本人は2割しかいません。

 

ですので、のこり8割の方は塩分摂取による血圧の増減はそこまで大きくありません。

 

だからといって塩っ辛いものをいくらでも食べていいかというとそうではありませんが・・・。

 

味噌や醤油、漬物、海藻類に含まれる塩辛さはそこまで変に意識して減塩しなくても多くの人は大丈夫です。

万が一2割に当たる食塩感受性タイプの場合でも量にさえ気を付ければ病的な血圧の数字には至りません。

 

それどころか、味噌には血圧を「下げる」作用まであると言われています。降圧作用のあるペプチドが味噌には含まれているのです。

ただし、これは無添加の本物の味噌、特に田舎味噌に限ったお話。味噌ならなんでもいいわけではないのでご注意ください。

 

塩も安価な食塩ではなく、岩塩や自然塩のようなナトリウム以外にもミネラルを含むようなものを使用するのであれば身体への悪影響も大きくはありません。

※ 自然塩であっても食塩感受性タイプの場合は反応して血圧が上がる場合がありますので摂取量にはくれぐれも注意ください。

 

しかし、一般的な食卓塩のような塩化ナトリウムしか含有されていないものではミネラルのバランスが大きく崩れ、血中のナトリウム濃度が高くなりやすく、腎臓に負担をかけることになります。

腎臓は余分なナトリウムの排泄を行います。必要以上にナトリウムのみを摂取するとその負担は腎臓に来てしまいます。

 

ナトリウムの排泄を助けるミネラルがカリウムです。もし必要以上に摂取してしまった感があるときはカリウムを多く含む食べ物を摂取するようにしてください。

カリウムが豊富な食べ物は昆布やワカメ、ひじき等の海藻類や山芋や枝豆、ほうれん草やかぼちゃなどの野菜です。このあたりの食べ物を意識して摂取していただくとナトリウムの排泄がスムーズになり腎臓への負担が下がります。

 

日本の減塩運動自体は順調に進んでおり、50年前に比べると一日の摂取量は半分まで下がりました。

 

ところが高血圧患者は減るどころか何十倍にも増え続けています。

 

毎年、高血圧のガイドラインが変更されており、そのせいで「前年までの基準だったらセーフだったけど、今年からの基準ではアウト」というような増え方をするのが高血圧の不思議なところではあるのですが笑。

 

ちなみに、高血圧の人と基準値範囲内の人での心筋梗塞や脳血管障害の発生率や、高血圧と診断されて降圧剤を飲んだ人と飲んでない人の死亡率、どちらも顕著な差がなかったりします。

このあたりは減塩とは関係がないのでまた別の機会に詳しく記事を上げようと思います。

 

 

ここまでで「塩分が血圧に影響を及ぼす場合は限定的である」ということは理解いただけたでしょうか?

 

 

では、何が血圧を上げているのか?

 

一般的なストレスだとかも正解ではあるのですが、今回は置いておきます。

 

 

血圧を上げる原因となるもの、ひとつはみんな大好き「砂糖」です。

 

特に白砂糖は血圧の上昇に一役買っています。

 

砂糖に熱を加えるとベタベタドロドロしてきますよね?

 

あのベタベタドロドロは血管内でも起こっています。血管内にあのベタベタドロドロがあるとどうなると思いますか?

 

血液の流れも悪くなります。

 

流れが悪くなると無理にでも流そうとして心臓のポンプ作用はより強く働きます。

 

すると流れるようになりますが、血圧も上がります。

 

血圧を気にするなら塩分の摂取量より先に同じ白い粉末ですが、砂糖の摂取量を見直す必要があるかもしれませんね。

 

 

そして、砂糖ともう一種類、血圧を上げるみんな大好きな食品があります。

 

それは「肉類」です。

 

特に「鶏肉」!

 

ヘルシーでダイエットの味方!と思われがちな鶏肉ですが、確かにカロリー面では他の肉類に比べると低カロリーでヘルシーです。

 

しかし、脂肪の質はそうではありません。

 

ニワトリは体温が41度前後あります。人間の体温は36度程度。

 

体温が4度違うとその脂肪の質は大きく異なります。

 

40度の体温で安定している脂肪は36度では安定しません。

 

血液中で流動性をなくしたり、血管内にこびりついて血管を狭くしたりします。

 

そうなると砂糖の時と同じで血流をよくするために心臓が一生懸命働き血圧が上がります。

 

ちなみに牛の体温は39度、豚でも37度。

 

どちらも人間の体温より少し高いため、同じように血圧を上げる原因になります。

 

強いて言うなら豚肉が一番マシですね。

 

ちなみに、日本人の塩分摂取量は50年前に比べて半分になりましたが、これら肉類の摂取量は大幅に増えています。

 

50年前に比べ、牛肉の摂取量は「6倍」

 

鶏肉や豚肉に至っては「12倍」!

 

砂糖の摂取量も近年の健康ブームも手伝ってか減少傾向にはありますが、精製砂糖の使用料は50年前に比べ3倍近い量が使用されていると言われています。

 

また、降圧作用や動脈硬化に有効とされるDHAやEPAを含む魚介類の摂取量は減少傾向にあります。

 

 

高血圧の原因は塩分だけではありません。このように他にも見直すべき食習慣が多々あります。

 

 

ちなみに、降圧剤や血圧を下げると人気の食べ物の一部には「見た目の血圧を下げる」だけの効果しかないものが多々あります。

 

以前のステロイドの時に述べたような「臭いものに蓋をする」だけの効果しかありません。

 

そういった食べ物も次回紹介したいと思います。今回はこのへんで。

 

 

長くなったのでまとめ

 

① 塩分による血圧の昇降は「食塩感受性タイプ」の2割の人にのみ影響する

② だからといって塩分をいくらとってもいいわけではない(腎臓に負担がかかる)

③ 白砂糖が血圧を上げる

④ 塩分摂取量以上に肉類の摂取量が血圧に影響を及ぼす