えっ?!鍼でそんなことも?!タバコ編

鍼灸治療の効果は多岐にわたります。

 

今回はそんな中でも施術者である私が驚いた事例を記事にさせていただきます。

 

誰にでも効果があるものではありませんし、同じだけ治療を受けたところで同様の結果になるとも限りませんので一例として参考までに・・・

 

タイトルにあるように、今日はタバコのお話です。

 

治療を受けだして3ヶ月ほど経った患者様がそういえば最近、という前置きのあとにおっしゃいました。

 

「タバコが欲しくなくなってきた」

 

私、この時、「タバコが欲しくなってきた」と聞き間違えてしまい、

 

「院内は禁煙ですので治療終わるまで待ってくださいね」

 

なんて的はずれな回答・・・笑。

 

すぐに察してくださった患者様が

 

「吸いたいんじゃなくなって、最近あんまり欲しくなくなってきたんです。鍼を受けだしてから徐々になんですけど、最近特にいらなくなってきて。

以前は1日10本くらい吸ってて、今でも1日家にいる日なんかだと習慣的につい吸ってしまうんだけど、6本目すぎたくらいから重たくなってきて。

もともとは(タール)3ミリのを吸ってたんだけど1ミリに変えても重たくって。苦さもキツいなーって思うんですよねー。

別に不調とかはないんだけど、なんでかなーと思って」

 

なるほどなるほど。

 

「完全に鍼の影響ですね」

 

「ただし、良い影響です。肺が調子悪いとか、そういうことではないので安心してください」

 

以下、患者様に説明した内容と同じ内容を掲載します。

 

なぜ、鍼治療を受けてタバコが欲しくなくなってきたのか?

 

答えは簡単です。

 

身体が健康になってきているからです。

 

健康になって正常な反応をするようになったためタバコの毒性に嫌悪感や拒絶反応を示すようになってきている証拠です。

 

タールやニコチンの危険性や依存性は既知のことですのでとりあえず横に置いておいて、喫煙というものを東洋医学的に解説していきます。

 

タバコは漢方薬の分類では「苦味」に分類されます。

 

苦味は体内において 血管を絞り乾かす という作用を持っています。

 

また、タバコ自体が冷やす性質を持っています。

 

タバコ自体は食べるものではなく、ガスを吸うものなので胃ではなく肺に運ばれます。

 

現代人の人体はストレスや温暖化、暖房機器の充実で体の熱が強い傾向にありますので、タバコの冷やす性質をもって冷やすとスッキリします。

 

これがストレスを感じるたり、イライラするとついついいつもよりタバコが欲しくなる機序です。

 

ところが、タバコの苦味が体に及ぼす作用は血管を絞り乾かす、といったものです。

 

肺は吸い込んだ酸素を肺胞内で毛細血管に取り込み、ヘモグロビンと酸素を結合させ体中に届けています。

 

しかし、苦味によってその毛細血管が絞られてしまいます。

 

すると、上手に酸素と血液のやり取りができなくなっていきます。

 

そしてそこに滞りが生まれ、だんだん熱がこもってきます。

 

こもってくるし、さらに乾いていく。非常に強い熱が生じます。

 

最初は冷えて気持ちいいかもしれませんが、滞りが生まれ、乾いてくるとその部分はだんだん強い熱をおびてきます。

 

その熱を冷やしたくてまたタバコを吸ってしまいます。

 

このように、タバコにはタールやニコチン以外にもその味や性質自体に依存性や習慣性を高める要因があるのです。

 

 

ところが、鍼治療を続けていくとわざわざタバコで冷やさなくても自然に熱が下がっていく体内環境に変化していきます。

 

わざわざ冷やさなくても平気な体内環境であれば、肺胞内の毛細血管が絞られたり乾かされたりするリスクや気持ち悪さの方が上回りますから必然的にタバコは欲しくなくなっていきます。

 

こういった流れでこの患者様はタバコがだんだんといらなくなってきているように感じているのだと思います。

 

 

このように、鍼治療には本当に多岐にわたる不思議な効果を実感いただくことが多々あります。

今回のブログに登場した患者様はもともと腰痛治療で通院されていた患者様です。禁煙や減煙(でいいのか?)を目的に治療していたわけではありません。

 

腰痛の改善だけでなく来月から値段も上がるみたいだし、タバコの量も減らせてラッキー!と、とても喜んでいただけました。

 

そんな訳で、鍼の不思議な効果の一端をご紹介いたしました。

 

鍼治療の不思議な力、一度体感してみてはいかがでしょうか?

 

 

※ 効果や治療期間には個人差があります。禁煙や減煙を目的にご来院頂く際はその点をご了承の上で一度お問い合わせください。